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たからもの

じゃあそんな感じで僕はカメラを向けよう。確かに何もなかったこの場所で、それでも何かを見ていた記念に。

いつもの通り、
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ちょこれいと まいんど

『ちろるちょこ』が20円になっていたという事をご存じだろうか。それ自体は大した出来事ではない。『ちろるちょこ』を生産している人達にしてみれば重大な決定だったに違いないと心中お察しするのだが、世間的には大したことがないという印象である。10円が20円になったところで安い事には違いないのは確かである。


だが『ちょこれいと』をこよなく愛している僕のような人間にしてみればこれは憂慮すべき事の一面を映し出していて、重大な問題を孕んでいるように思われるのである。



『ちょこれいと』の哲学的、美学的、経済学的問題をここで取り上げよう。まず最初に発せられるべき問いは「『ちょこれいと』の魅力とは何か?」である。「『ちょこれいと』とは何か?」というより哲学的な問いを発する事も可能だが、『ちょこれいと』が大切で無くてはならないものと既に認めてしまっている僕にとっては愚問であり、『ちょこれいと』とは『ちょこれいと』というトートロジーしか出てこないような問いである。僕は『ちょこれいと』に何の疑問も持っていない。ただこの世で一番美味しいもの…のカテゴリーだという認識である。


『ちょこれいと』の魅力は当然、美学的な側面などから考えられるべきでもある。『ちょこれいと』のブラウンは美学的に美しいだろう。そして、食べる事によって得られるエネルギーを考えると、少額でも十分なカロリー摂取が可能な食物である。言いようによっては経済的かも知れない。が、一般的には…








あ”””””ぁ”””””””””””面倒くさい。こんなレポートを書いていていても『ちろるちょこ』が20円になったり、よくある『板ちょこ』が微妙に薄くなっているという事実は覆らないのだ。確かに原料国の取れ高とか、豊かになってきた他国と物量を取りあわなければならない関係になったりだとか、輸送量がガソリンの値上げでどうたらこうたらとか、配慮しなければならない事情は多いけれど、端的に言えば僕が食べられる量が相対的に減ってしまうという事にもなりかねないのは確かなのだ。



『ちょこれいと』を食べるという事は自然な事である。アレルギーがある人もいるかも知れないけれど、僕にとっては逆に食べない方が精神的な地獄である。この溢れんばかりの想いをどこで訴えればいいのだろう。要するに問題は…。



「ねえ、どうしたら『ちょこれいと』沢山手に入れられるかな?」

「え…?もっと貰いたかったの?」


『せんとなんたらさん』の誕生日を祝うイベントで「義理ではないらしい『ちょこれいと』」を貰って以来、何故か仲良くなった同僚の女の子、『荒井さん』に僕は何気なく訊ねた。丁度その時、僕等は社食で昼食を採っていたのだ。


「そりゃ貰えるものならもっと貰いたいけどね」


何故か不機嫌そうな顔をし始める荒井さん。荒井さんも『ちょこれいと』は好きだと言っていたから共感して貰えそうな話だと思っていたのに、反応は芳しくない。


「わたしの事好きって言ったじゃないですか…」


「え?それと何か関係あるの?」


「なにそれ…他の人にも手を出すつもりですか?酷い」


時々この人は何を言っているのか分からない時があるが、今はまさにその時である。


「何で他の人に手を出すとかよく分からない話になってるの?『ちょこれいと』が欲しいって言ってるだけじゃん?」


こう言うと、荒井さんは不思議そうな顔に変わった。


「ただ『チョコレート』が欲しいって言うんですか?女の子じゃなくて?」


「『ちょこれいと』以外に何を求めるのさ。普通に『ちょこれいと』が欲しいだけだよ」


不思議そうな顔から、頭にはてなを浮かべているような顔になっている。


「じゃ、聞きますけど、わたしと『チョコレート』だったらどっちが欲しいですか?」


意味不明な質問である。哲学的な問いでもあるが、同じ次元に属していない事を比べろといわれても土台無理な話である。


「『ちょこれいと』は欲しいよ。荒井さんとは仲良くなったし、優しいし好きですけどね」


答えようがなかったので、思っている事をそのまま言う僕。その答えで満足だったのか、少し恥ずかしそうだがニヤニヤしだした。謎である。


「高嶋さんは素直に『好き』って言ってくれるから好きです…」


「荒井さんって時々変ですよね。当たり前の事を聞いてくるから」


「高嶋さんも変ですよ。わたしてっきり『チョコレート』が好きなだけかと思っちゃいましたもん」


「それは間違いじゃないよ。『ちょこれいと』は好きだよ。好きだから沢山欲しいって言ってるんじゃん」


「ふふふ…高嶋さんて正直なんですね」


「そんな事より、どうやったら『ちょこれいと』が沢山手に入るかを考えてよ…」


そう言うと、荒井さんは何か思いついた事があったようで、先ほどのようにニヤニヤして言う。


「一つ良い方法がありますよ」


「なに?」喰いつく僕。


「わたしがまた手作りでチョコレートをプレゼントしますよ。毎日でも。ふふふ…」


僕は少し考え始めた。これは根本的な解決にはなっていないように思えるものの、確かに魅力的な提案である。ただ気になる事があった。


「でも荒井さんの負担になりませんか?最近は『ちょこれいと』もばかになりませんからね」


「う~ん…そうですね…それは今度何処かに連れて行ってもらうという事でどうですかね?」


「え?別に良いですけど…そんなんで良いんですか?」


「『そんなん』で良いんです…わたしにとっては。ふふふ」



荒井さんは幸せそうに微笑んでいる。いつもは『ちょこれいと』の事ばかり考えている僕だが、この時ばかりは<良い笑顔だな>と思ったりした。



余談だが、『ちろるちょこ』は10円の時よりも大きくなっているそうである。悪い事ばかりでもないのかなとか思う今日この頃。


ちょこれいと ゐず びゅうてぃふる
 らいふ ゐず ちょこれゐと

徒然ファンタジー2

人間に化ける(?)事が出来るようになったごく普通のキジトラ雄ジェシカ。飼主利莉杏(リリアン)は相変わらず、見方によってはより一層ジェシカを溺愛するようになっていた。客観的にこの様子を見れば、年頃の男子が年上の女性と一つ屋根の上で生活しているという事になるのだが、当人(猫)にとってはそういう意識はないらしく、特に飼主は「見た目が変わってもジェシカはジェシカだ」と素直に思っているようだった。ジェシカの方は猫で居る間はひたすら眠る事と食事の事を考えているのだが、人間になった時に漠然とだがリリアンからの親愛を感じる事もあり、それに少しは応えようと思うのだった。


ところで先日『キラキラネーム』という概念を知ったジェシカだが、彼の頭には数日たったころに素朴な疑問が浮かんできていた。それは、

『仮にリリアンが『ジェシカ』という名前だったとして、それは『キラキラネーム』にならないのだろうか』

というご尤もな疑問である。『ジェシカ』は一般的に日本人の名前でもないし、『利莉杏』のように漢字で表わすとすれば『持得鹿』とか、無理矢理な当て字になるに違いない。利莉杏はやはり大雑把な性格なのだが、要するに『利莉杏』という名前から逃れなれるなら何でもいいという単純な発想なのかも知れない。


ジェシカは疑問を抱いてはいたが、『利莉杏』という名前についての一件で飼主のこれまで見たことのない表情を見ていたのでこれに類する事を聞くのが少し躊躇われて、取り敢えず保留する事にしていた。


ジェシカが疑問に思うようになったことはこれだけに限らない。これまでは分らなかったが人間の視点に立って実際に触ったり使ったり見てみたりすると「人間という生き物は中々いろいろ考えている」と感心するようになって、せっかくだから自分も色々試してみたいと思うようになった。やはり猫でも男の子なのか、機械に対しての興味が尽きない。ジェシカはリリアンに訊いた。


「その四角くて硬くて薄いやつって、何に使ってるの?耳にあてたり触ったりしてるけど…」


「え?これのこと?」


リリアンはその時スマホを使って作業をしていた。文明の利器の中でもこれほどまでに様々な機能が凝縮され、一つだけで多くの事が出来る道具はPCくらいなものではないだろうか。ジェシカは猫でいる間には『人間の奇行』として認識していたが、知恵がつくとそれが何かに利用するもの…例えばあの謎の男性がくれた人間に変身する為の『道具』のようなものと思うようになっていて、現代科学が出来る事の範囲を知らないジェシカは自然とあの謎の道具と同じようなものがこの世界に普通にあるのだと考えそうになっていた。リリアンは微笑みながら答える。


「ジェシカ、これはスマホ…スマートフォンっていうのよ。まあ電話っていうか、なんでもできるね」


「電話って?」


「離れたところに居る人とこれを使って話が出来るのよ。あ、そうだ良い事思いついた」



説明するより実際に使わせてみた方が良いという事に気付いたリリアンは、立ちあがって壁際に設置してある自宅の電話でどこかにダイアルし始めた。すぐに机に置いたままになっていたスマホにコールがかかって、着信音が鳴り始めた。これが鳴るという事は知っていたジェシカだったが、不思議そうに見ていると、リリアンはスマホのボタンを押して、電話に出た。明らかに家の電話からスマホにかけただけだが、リリアンはそのスマホをジェシカに渡し、「耳にあてて」と指示した。


「『もしもし、聞こえる?』」


スマホから聞こえてきた女性の声はこもってはいるがリリアンの声によく似ていて、リリアンがここで喋ってラグはあるがすぐに響いてきたのでジェシカは驚いた。


「わ!!なんだこれ…」


「『これが電話なのよ。凄いでしょ?』」


「え?もしかしてこっちからも声が届くの?」


「『そうよ。それを持ってちょっと外に出てみてよ』」


ジェシカは言われた通り、居間から玄関へ、玄関から外に出てリリアンと会話を続けた。


「『ね!ずっと聞こえるでしょ?どこまでも行けるのよ』」


「そうだったのか…これでどこででも話が出来るのか…」


「『私の方もスマホを持っていれば、私が別なところに移動しても、そこからでもジェシカと話が出来るってわけ。ふふふ…便利でしょ?』」


「すげぇ~!!!」


ジェシカは子どものように驚いたが、同時に「人間というのは凄い事が出来るんだな」と思った。僅かにだが、他の人もこの道具を持っているとしたら、場合によっては移動しなくてもいいのでは?とも思ったりして、『寝る時間が増えそうだな』と単純な発想で思うのだった。現実には、この文明の利器の登場以降、結果的に寝る時間が奪われるようになった面もあるのではないだろうか。ともあれ、ジェシカはまた一つ賢くなった。




賢くなったとはいえ、ジェシカが猫である事には変わらない。ジェシカの発想は根本的なところで「いかに多く寝るか」という事なので、面倒くさそうな事は好奇心があったとしても若干躊躇われるのである。リリアンがスマホの別な利用の仕方を教えた時には、最初の感動とは違って、『面倒くさいなぁ』という感想しか出てこなかったし、写真や映像を見る事が出来たり、音楽が聞けると言っても、猫独特の感性はどちらかといえば実物の方に惹かれるので、何となくつまらなかったのである。



それよりもジェシカはずっと前から気になっていたトースターで焼いたパンとか、電子レンジで温めた飲み物とか冷蔵庫で冷やしてあるアイスとか、外に出て見たこともない場所に行って猫とか犬とか、鳥とか、人間とかを見るのが好きなのである。



猫や鳥を追いかけて叱られる事もあったけれど…。

徒然ファンタジー

ジェシカは何処にでもいる普通のキジトラの雄猫だった。ジェシカという人間のような名前を与えた飼主は自分の名前が世に出すのも躊躇われるようなキラキラネームだったので、自分がそう呼ばれたかった理想の名前を飼い猫につけたのである。飼主は女性だったが、雄猫に「ジェシカ」と名付けてしまうくらいには大雑把な性格をしていた。それでも飼主のジェシカへの溺愛ぶりには一目を置くべきものがあって、今日も飼主の過剰なスキンシップはジェシカを困惑させている。頬ずり、絶え間ないキス…逃げようとしてもすぐに掴まってしまうジェシカ。



ジェシカは言葉には出来ないが、飼主に『もうちょっと適当な接し方があるだろう』と思っていたし、伝えられるものなら伝えたいと思っていたようである。



そんなジェシカに転機が訪れた。忘れもしない8月の末。外でやかましく、ある意味で風流とも言えるようすで鳴いていた蝉達が静かになってきて、テレビでは秋雨前線がどうたらこうたら言い始めていたその日、外出中の飼主の居ない間に居間で転寝をしていたジェシカは突然部屋がキラキラ輝きだした事に気付かなかった。その輝きは、物理法則を無視していて、全く何もない場所から発光していた。見る人が見れば驚愕するに違いない現象を辛うじて観測していたのは、残念ながらジェシカで人ではなかった。とはいえ、ジェシカも夢現だったから現実の事だとは思っていなかったかも知れない。なんにせよ、部屋はまばゆい光で満ち始めた。


更に驚くべきことに、その光の中から全身黒いスーツに包まれた中年男性が現れたのである。これは不法侵入とかそういう事ではなく、SF的にいえばテレポートしてきたのである。そしてSF的に言っても、物理法則を無視していそうな瞬間移動のようである。


「よし。成功だ。何とかこの世界に干渉する事が出来そうだ」


さすがに人の声がしたのでジェシカは驚いて警戒し始めた。『う”ぅ”うううう』と低い声を出して男性を威嚇する。


「うーん…残念だが目撃者は君だけかい?座標がランダムになるからこれだとパフォーマンスにならないな…」


怪しげな事を言う男性。とは言ってもその意味が解かる存在はここにはいない。もしこの男性が何もしなければ、何事もなく普通の一日が終わったに違いないが、男性はそれを善しとしなかったようである。


「そうだ!!君は目撃者なわけだし、君が伝えられるようになればいいんだね」


訳の分らない事をジェシカにいう男性。すると男性は胸ポケットから怪しげな物体をとり出した。小さなルービックキューブのようなものといえば良いのか、一面が4つに区切られた何か。男性はそれを一回捻る。その瞬間、ジェシカは人間の姿になった。



もう一度言う、ジェシカは人間になってしまったのである。気が利くのか、普通の服を着た状態で。どこからどう見ても、普通の人間である。



「これで僕の言っている意味が解かるね。君の名前は何ていうんだい?」


「え、俺の名前?ジェシカだろ…?って、何だこの声…」


ジェシカは無意識に答えていたが、今や高校生くらいの男子になっていたジェシカは自分の出した声に驚いてしまった。と同時に自意識がはっきりして、色々な思考が駆け巡った。


「どうして俺は喋れるんだ?っていうか、俺でかくなった。あれ、しっぽない。違うそうじゃなくってどうしてこんなことが分るんだ?あれ、手がある。よく見たら、あの人のようなかたちじゃないか…」


混乱するジェシカ。男性は笑いながら言う。


「君の飼主はまだ帰ってこないようだけど、ここにこの道具の説明書を置いてゆくから、見せておいてね。大丈夫、これをもう一回捻れば猫の姿に戻れるから。要するに、君の飼主が間接的に僕の存在を知れれば目的は果たされるわけだからね。じゃ」


というと、男性は先ほどと同じように光の中に消えてしまった。


「これを捻れば元に戻れる?本当かな…?」


そう言われたもののジェシカは取り敢えず、飼主を待つ事にした。ジェシカは見知らぬ男性が女性の家に居たら、普通は大騒ぎになるという事を知らなかったのである。



夕方になってジェシカは飼主の帰ってくるのを感じて出迎えに行った。


「ただいま~」


「おかえり」


「…」


「おかえり。どうしたの?」


飼主は驚いて心臓が止まりそうになっていた。見知らぬ男性が出迎えたのだから当然である。


「アナタダレ…」


「え?ジェシカだよ」


「何言ってるのあなた…人んちに勝手に…どうやって入って来たのよ…ジェシカは?」


「だから俺がジェシカだよ」


「けーさつ呼ぶわよ…」


「あ…」


その辺りになってジェシカは自分の姿を見たら飼い主が驚くかも知れないという事に気付いた。


「ちょ…ちょっと待って、ジェシカだって証明するから」


というと、先ほど男性が置いていた道具を捻った。たちまち猫の姿に戻るジェシカ。


「にゃ~ん」


「はぁああああああああああああああああああああああ???????どういうこと???ジェシカぁ???」


まだ人間の思考が残っていたジェシカは、飼主を居間に案内しようとする。飼主は混乱するものの、机の上に「読め」と言わんばかりに置かれている冊子を見つけ、疑わしい目を向けながらも読み始めた。それは先ほどジェシカになる前の男が持っていた道具の説明書で、最後のページには


『詳しい事は、人間になったジェシカ君に聞いてみてね』


と後で書いたと思われるメモが残されていた。読み終わった飼主は、


「本当なの?ジェシカ?あなた何かを知ってるの?」


と語りかけてから、説明書の指示通りに道具を捻ってみる。するとジェシカがあの男の子になった。


「ね、本当でしょ?」


「…うん。信じるしかないようね。頭がいたいけど、何があったか教えて…ジェシカ…?」


「分った」



ジェシカが語った事はシンプルだった。部屋が光って変な男性が現れてこれをくれた。それだけでは分らなかったので、飼主は詳細を質問して、ジェシカは覚えている限りで話す。飼い猫と喋っている感覚は不思議だったが、何となくジェシカっぽいと思った飼主はだんだんこの状況を受け入れていった。


「まあ、大体わかったわ。あなたの事は信じるわ」


「ありがとう」


「ところで…」


飼主はすっかり状況に慣れてしまったので、ジェシカに対していつもの様に接し始めている。無意識にジェシカの手を握ったりしているのは、その証である。


「ジェシカ、あなたって男の子だったのね。それも若くて…」


「そうだよ。俺だって2才くらいだからね」


「今のあなたが言うとなんか変な感じがするけど…。でも困ったわ」


「何が?」


「これじゃあ、あなたとスキンシップが出来ないわ」


「ああ。それについて一つ言っておきたいことがあるんだけど」


「ん?なあに?」


「あなたはもう少し適当な接し方を学ぶ必要があるよ。俺いつも苦しい思いをしてるんだよ」


「そ…そうだったの…」


「分ってくれた?」


「そうだったの…そんなに寂しい想いをしていたなんて…これからもっと密着しなくちゃね」



と言って、徐にジェシカ(人間)をハグする飼主。彼女はどうやら勘違いしたらしかった。


「ちょ、ちょっとやめてよ…あの、その…あ…」


ジェシカは何かに気付いたようである。


「そういえばあなたの名前って何ていうの?」


「利莉杏(リリアン)よ…」


「良い名前だね」


「何処がよ!!!」


ジェシカはその日、キラキラネームという概念を知ったのである。

いなかのまじゅつ

『カントリーロード』を歩いている。有名な歌と違うのは、それがそんじょそこらの
ただの日本の田舎道だという事である。良いのか悪いのか分からないが、歩いていても
誰とも出会わない。色が褪せ、少し削れているアスファルトはずっと向こうまで続いて
ゆきそうなのに、意外と坂が多くて視界は遮られてしまう。何もないようでありながら、
農村特有の田んぼだらけの地帯は目には優しそうな色をしているけれど、単調過ぎて
だんだん見ようという意思を失わせる。結果的に、そこにあるのに何もないように思わ
せてしまう田舎の魔術。



地元は大体こんな感じだ。ここで起こる事はそんなにない。『ない』と言っても目まぐ
るしく動いている場所に比べたらというだけで、これも田舎の魔術なのか、毎日すべき
ことがあってそこそこ忙しいのに、印象の中では大したことが起こっていない事に
なってしまうのだ。



今日は時間ができたから特に何も考えないまま散歩をする。



都会に行ったら重宝がられるような向日葵が一面に咲き誇っている畑は、周りの景色
と比べて特に目立っているというわけではない。ごく自然に、当たり前にそれを見届け
通り過ぎた頃に少し厚めの雲が太陽を覆って、一帯が暗く陰る。風も吹いてちょっとだけ
涼しくなるが、そんな時間も長くは続かない。歩いているうちに再び直射日光に曝され
始め、次第に額に汗が浮かび上がってくる。



猛烈にジュースを飲みたい気分になるが、田舎ゆえ文明の象徴である自販機など数が知れ
ていて、残念なことに自分の住んでいる場所の付近は恩恵に与れていない。だが水がない
というわけではない。飲めはしないが田んぼの脇を流れる農業用水は透き通っていて、
水が流れてゆく音は清涼感がないわけではない。それにこの近くには川がある。なかなか
立派な河川らしく、子供の頃には水遊びをしていた事もある。



とはいえ、この歳になってこんな時間に川の辺りをうろうろしていたら人は見当たらないが
それなりに不審者に思われそうな気がする。ここにもまた人が『いない』のではなく、少し
はいるかも知れないと考えなければならないという事情がある。まあ居なかったとしても、
特に理由はないが面倒な事をしようとは思わないから、あまり影響はないのかも知れないが。




こんな日には何にも起こる筈がない。別に何かが起こって欲しいとも思っていない。言うな
れば、『今日も何も起こらなかった』という当たり前の事を毎日確認しているようなもの
なのだろう。ここではない場所を意識させられることは多いし、ここではない場所と何処か
が何らかの意味で関係していて、経済という観点からは確かに繋がっているのだろうけれど
、ここは当たり前のようにここにあり得る事しか起こらない。ここで感じた事、ここで見て
いるもの、情報、そういうものは『経験的にあり得そうな事』という概念を育ててゆく。そ
れがここでの日常を作り上げていて、たぶんここに住んでいる他の人も同じような概念をも
っているのだろう。別の場所で出来る事も、ここでやろうと思ったら一苦労だし、逆も
あり得る。




ここだから出来る事、ここだから容易に見れるもの。




空を見上げる。山の方を見つめる。一つ一つ確認してゆけば紛れもなく圧倒的に「ここにある」
のだという事実に向かわざるを得ない。だが古の偉大な俳人たちは、大して変わらなかったで
あろうこの光景を見て、人生における真実を切り取ったような句を残していったという事を
知っている。



何となく『癪だな』と思う。自分はまだまだ半端もののような感覚が抜けないけれど、それでも
確かに知っている事がある。でもそれは「はっ」とするような事ではない。咲き誇る向日葵を
本当に何でもないものとして見ている視点で言っているからだろう。



そう、向日葵は咲くのである。夏の幻でも何でもなく、当たり前のように。



「『咲き誇る 向日葵夏の 田舎道』」



まあ…。なんだろう。誰かに聞かれたらちょっと恥ずかしい俳句だな。

日記

テーマを立てて日記を書くのも変なので、取りとめもない内容になるかも
知れませんが日記らしきものを。


一言でまとめてしまうと大した事は起っていません。テレビで災害の状況
を見て言葉が出てこないのですが、一方で自分の生活はちょっとした事が
あるくらいで夏の一日という感じでした。



夏といっても夏はそろそろ終わりに近づいています。学校もそろそろ始まる
頃でしょうか。でもまだ甲子園は熱戦が続いていて、毎年恒例の鳥人間
コンテストとかもまだ放送されていません。個人的にまだやり残している
事があるといえば、やはり『花火』を見る事でしょうか。



何だかんだ言って、夏は好きです。とはいえ夏である以上、季節特有の自然
災害もあるわけで、穏やかな日常を望むという観点からするとやはり秋に
なってもいいかなとも思ったりします。

典型的でない男女

社会常識をそれなりに身につけてパッと見何処にでもいる普通の成人男性のようになってしまった虹野七光だが、彼は今ある事で大変悩んでいた。本来ならば彼のような変人に属する人間が悩むような問題ではないのだが、学生時代とは違ってそれなりに世間体というものを気にしなければならなくなってくると、最近では一層顕著になってきたネットのような場所における何気なく目にする言論による圧力が、七光に常識を意識させるようになった。


良くなされる「○○な男性」というカテゴライズによる特徴付けによって論を展開してゆくような文章については実際は自分は例外で全然それに当てはまらないけれど、かと言って一般論でそういう風に判断されるという事が実際なんだろうと思ってしまうとどうしても意識せざるを得ないのだ。



『こんな男性には注意!!』


見出しは躍る。そういう風に行動する理由は全く違うけれど、そういう風に行動する人は一般的にはそういう動機で行動するのだという説が罷り通っている現状では、変人の行為も定説から解釈され、場合によっては精神的に未成熟だとか、異常の証とされることもある。



だが考えてみて欲しい。何事にも反発しているような人間にとって『定説』とは挑むべき『限界』でしかないのである。「一般的にはそうであるかも知れないけれど、例外もあり得る」という思考が定常化しているような七光にしてみれば、よく分からない彼だけの感覚の中で特殊としか言いようのない解決方法でその場を乗り切るような事が多々あるのだ。それは茨の道よりも酷い獣道で、その名の通り時には獣のような変貌をしながら咄嗟の思い付きで日々をやりくりしているのである。




明らかに脱線してしまった七光は益々迷宮化してゆく彼の思考の中で、シンプルに考える事も出来ず、彼自身何を求めているか分らないまま時としてアクションを起こす。



七光が悩むようになったのは、「この訳の分らない『気紛れ』を控えて普通に振る舞った方が幸せになれるのだろうか?」などという問いを発した事に起因するといえばそうである。『気紛れ』に理由などないのだが強いて説明するとすれば、「そのままで良いのだろうか?」という微妙な判断の迷いがあるからである。「そのつもり」だったのに、いざそれをやろうとすると「それでいいのか?」ともう一人の自分が囁くのだ。


これはある意味で危険なのだが、そのもう一人の自分をさらに批判するもう一人がいるのだろう。「「それでいいのか?」などと疑って良いものか?」。そうして疑問は延々と続く。誰も悪いとは言っていないし、良いとも言っていない状況で、余計な事まで考えた挙句、情報の処理が追いつかなくなって、結果的に感覚的に行動する事を選ぶ、というのが本当なのかも知れない。



そう。そもそもが感覚的な事なのだ。「それをこんな具合に『ひねって』やってみたらどうなるのだろう?」。どうもこうも、予期していない方向にずれてややこしくなるのだ。自分の意思のような、何かに憑りつかれているような不思議な動きをしてしまう事で、単純で良い事がややこしくなる。ややこしくなるから意図が掴めずに人々は混乱する。



つまりはカオスの権化といえばそうなのだ。



秩序立ててやるのではなく、予期しない形で何かを偶然解決させるような奇妙な人間。と言っても、社会に出て仕事をする為にはどうしても秩序立て、順序正しく、効率よくやる事を覚えなければならない。本来的には彼の肌には合わないのだが、世の中の仕組みが秩序を求めるように、効率を求めるようになっている以上、それに適応しなければならない。



新卒で会社に入った頃には手こずったものの、案外やってみると適応できたという事が七光の考えを改めさせつつあった。殊仕事においては何も余計なところでひねる必要はなく、やるべきことは決まっていてあまり迷わない。



ここにおいて、『社会常識をそれなりに身につけてパッと見何処にでもいる普通の成人男性』が完成する。多くの人と世間話をしてゆく中で常識的な感覚がどのようなものなのかある程度(理論的にだが)分るようになってきて、単純な推論で「こういうとき普通なら○○をする」という思考が、自分の意見よりも先に出るようになる。自分の意見は出さなくても、常識に沿って答えて、セオリー通り行動すれば変な人間には見られない為に、過去の七光を知らない同僚達と、会社の事、友人の事、趣味の事、異性との関係などについて話すようになってから、七光は気付いてしまう。



「あの人と私の関係は一体なんなのだろう?」



異性の中でも少し特殊な関係にある、神野真理弥である。こういう事情があって、更に言えば兄にちょっとした変化があったのに触発されて七光は真理弥に例の話をしたのである。七光が「二人の関係を改めたい」というニュアンスの申し出をしてから、彼女はどうしたらいいのか分からずに同性の友人に相談していた。


「あいつが、何かね変な事を言ってきて」


「どんな?」


「私との関係を変えたいとかって」


「…ん?どういう事?」


「多分だけど、普通のカップルみたいに交際しようって事じゃない?」


「え?あの人と付き合ってたんじゃないの?」


「は?」


二人の関係は世間一般の感覚からすると『付き合っている』になるのだが、二人の間の共通認識では『腐れ縁』であった。偶々趣味が合うという事もあって、一緒に出掛けたり、同じ部屋でDVDを鑑賞したり、ゲームをしたり、仕事の相談にも乗ったりそんな事を繰り返していたのだが、恋愛関係とは似て非なるものだった。だから当然、真理弥は友人の発言にびっくりしたのだが、びっくりすると同時に納得してしまった部分もあった。

<そうか、確かに『普通』はそう見えるかも>


とはいえ、ここをはっきりさせないと話にならないので真理弥はこう主張した。


「付き合ってないよ。だってそういう関係じゃないもの」


友人はそれに対して少し呆気に取られた様子で言った。


「あんた達って変だね…」


「何でよ。全然普通だよ。だってさ、」


真理弥は憤りを隠せない。だがこの言葉の続きを考えたときに少しだけ不思議な気分になった。彼女は、


『だって、好きだって言われたことないもの』


と言おうとしたのである。好きでもない相手と長年に渡って一緒にいるかという事を考えれば、常識的にはあり得ないので、何かしらの感情は持っているのが自然だ。だが、七光は真理弥を「自分の良き理解者」として見ていたかも知れないし、真理弥にしても「この訳の分らない他者を理解したい」という欲求があったから一緒にいたとも言えなくはないのである。



果たしてそれだけなのか…というところが最大のポイントである。


ただ少なくとも真理弥は今この自分の考えを確かめたときに、七光が自分の事を『好きだ』という可能性をほぼ始めて意識したのである。意識して、そして不思議な気持ちになった。


<あいつは、私の事をどう思ってるんだろう…>





同刻、七光は自宅で「付き合う」とはどういう事なのか必死に考えていた。感覚的な七光は自分が真理弥と男女として「付き合いたい」と思っているのか、ただ付き合うのが自然だからという理由で「関係を変えたい」と思ったのか、自分でもよく分かっていなかった。どちらにしても「今までの関係」と「付き合って以後の関係」の差異さえはっきりすれば、どちらを望むのか分るかも知れないと思ったからである。こういう思考があったからこそ、七光はこの前「血迷っただけかも知れないと」濁したのである。

雪のない夏

雪がない。そりゃあ今は夏だから当たり前だ。照り付ける太陽は全く容赦がない。日本の何処かでは今日も更新してほしくはない記録が更新されている。近日中に最高気温40度を狙えそうな気配だから、「今年は『冷夏』になる」と言っていた気象予報士が、

<あの時の私はきっと血迷っていたのだ>

と少し後悔しながらソーダ味のいかにも涼しげなアイスキャンディーを頬張っていると思ったら、微妙に嬉しいようなそうでもないような。



『炎天下』という言葉を聞くだけでも厭なこんな日に、ギラギラとした光線をその身に浴びながら公園の砂場で熱心に砂の城を作ろうとしている親戚の子供の兄弟の面倒を見てと言われた僕は、何とかして彼らの砂への興味を失わせようと企図している。そして出来れば海とか川とかプールとか水に関係する場所に誘い出せれば万事オーライである。


「おじさん、またお城できたよ!!」


先ほど造られた城は出来栄えをとにかく褒めちぎろうと思ったその「おじさん」が砂場に足を取られてすっ転んでぺしゃんこに潰れてしまっていた。逞しい兄弟は慣れっこなのか「あーあ」と言ったあとおかしそうに笑いだすとちっとも動じずに城を再建しはじめた。壊れても当たり前のように一から作り直すという精神に感動しながらも、多少挫けてもう作業が嫌になってもらった方がその後の展開を考えると僕としては悦ばしいのだが、実際そうならないのは彼等の教育者が「始めたことは最後までやり通す」という美学を兄弟に教え込んでいるからに違いない。


「いいね。凄くいいよ!!」


僕はとにかく昨今のネット上でありふれている『いいね』を連発すれば兄弟が満足してくれると信じていた。しかし現実は違うらしい。


「どのへんが?どんなかんじでいいの?」


少しませている弟の方が、少しつっこんだ質問をしてくる。正直言って困る。パッと見で良さそうなところは城の頑丈さだろうか。先ほど潰された事に対しての反省からか城壁は分厚く設計され、念には念を入れているのか何度も水道の水で固められていた。というかそういう入念な工事をしたから時間が掛かって、見ているこっちが汗ダラダラなのだ。


「うんとね…「頑丈さ」かな。これなら宇宙人がレーザー光線を放って攻撃してきてもびくともしないね」


弟の方は多分よくは分ってはないけれど具体的に答えてもらったのを確かめて満足そうである。だが今度は少し知恵をつけてきている兄の方がちょっとだけ不思議そうな顔をして聞いてくる。


「「宇宙人」はお城を攻撃するの?」


「えっと、それはね…」


冷静に考えてみるとこの物語の中に出てくるような城はたぶん歴史的には中世から近世だろうし、その頃に宇宙人がUFOに乗って飛来してきたという目撃証言は多分ないだろうし、そもそもその宇宙人は歴史的にも価値がありそうな建造物を破壊しようとするだろうか。むしろ文化的に興味深いので保存しようとするという意図があってもおかしくはない。「宇宙人が攻撃する」という設定を迂闊に作ってしまったのが失敗である。それもこれも暑さのせいだ。答えに窮した僕はとりあえず、


「実は調査に来た「宇宙人」の一人が城に囚われの身になっていて、それを助けるために威嚇したんだよ」


と言って誤魔化す。弟は既に何を言っているのか分からなそうな顔をしているが、兄の方は何となく納得している。


「そっかぁ。そういう事情があるなら仕方ないね。でもこの城に住んでいる人はそんなに悪い人じゃないんだけどな…」


「どんな人が住んでいるイメージで造ったの?」


「うんとね、偉い貴族!!」


おそらく何か本で読んだものをイメージしていたのだろう。具体性には欠けるが、城=貴族という了解は間違ってはいない。ただ、貴族=偉い≒正義みたいな感じになっているのはよくありがちといえばありがちである。僕は彼に向かって一般論を述べる。


「貴族っていうのはね、基本的には領地を持っていて、領地に不法で侵入してきた者に対しては厳しいはずだよ。多分、その宇宙人は調査する為とはいえ、勝手に領地に入り込んだんだよ。そして見張っていた兵士に捉えられたとかじゃないかな」


「あ、なんかそういう話知ってます。そっかー!確かにそれならそうだ」


ようやく兄はその問題だらけの設定でも『問題がない』と判断したようである。僕はちょっとだけ変な事を教えてしまったような気がしたが、暑さのせいで変な事を口走ってしまったという事で許されるだろうと勝手に判断して次の事を考え始める。


「ねえ君達、城もできたしそろそろ涼しいところに行きたくないかな?」


「すずしいところ?」


「そう」


「たとえば?」


弟がそう訊き返してくることは想像出来た。むしろ好都合である。


「そうだね例えば…あたまに『プ』がついて、お知りに『ル』が付く3文字の場所とかは?」


子どもをその気にさせるにはクイズ形式というのは常道である。そしてまちがいなく夏の涼しいところという情報が加わっているから、答えは一つしかない。


「プ…プ…ル、ル…」


「…。」


灼熱の太陽は我々に無慈悲な熱を与える。


「プ…、、、、、、ル・・・・」


「…。」



弟は真剣に悩んでいるがなかなか答えに辿り着けない。兄は私を見つめたまま動かない。既に日焼けして赤くなった腕と首筋。永遠とも思えるほど長い時間が経ったような気がするが、その状況が変わらない。色々な意味で焦れてしまった僕は、


「正解は、プールでした!!!」


とおちゃらけて言った。弟の方は「そうか」という顔をしているが兄の方は尚も表情が変わらない。


「どうしたの?」


気になって兄の方に尋ねると、


「ぼく、昨日も行きました。プール」


「そ、そうなんだ。でも暑いし毎日行っても良いよね」


「お父さんとお母さんが、いつもプールしか連れて行ってくれないんです。今日はおじさんが遊んでくれるから期待してたんです」


「そ…。そうなのか」


兄の言葉は子どもながらに切実なもののように思えた。子どもだからと言って、安直な発想でいつも同じことばかりしていれば、いつしか彼等は期待しなくなってしまう。僕が彼等にとって「ただのそこらへんのおじさん」なのか「凄いお兄さん」なのかの違いは、こういうところでいかに工夫できるかではないだろうか?


そう自問した瞬間、僕の頭は熱でオーバーヒートするかと思われるほど活発に動き出した。



<何かあるはずだ…この状況で僕も嬉しい、子供も喜ぶ、しかも涼しい…そんなペストプレイスが世界の何処かに…>



僕の中には少しだけ思いつくことがあった。兄との対話にヒントが隠されていた。



「じゃあさ、『図書館』とかどうかな?お兄ちゃん実は本とか好きでしょ?」


「え…なんで分ったんですか?」


「勘…かな」


「宇宙人がお城を攻撃する」という話に食いついてくる子だからそうだと思ったというくらいなのだが、当たっていたようである。


「図書館とかあんまり行った事ないでしょ?県立の」


「あ…ないです…」


彼等の住む家からだと図書館は少し遠いのであまり連れて行ってはもらっていないだろうと思ったがその通りだった。まあ、基本的には涼しい場所といえばそこが浮かぶくらいには普段から図書館に行っているので僕らしい発想といえばそうなのだが、彼等にとっては意外な場所になるのである。


「連れて行ってくれるんですか?」


「うん。良いよ」


「としょかんってどこにあるの?なんメートルさき?」


「車で20分くらいだよ。メートルに直すと、20000メートルくらいかな」


「20000メートル????」


「実際に行ってみれば分るよ」



「うんわかった!」




特に何という事もないのだけれど、図書館で兄の方が宇宙人についての本を探していたのが印象的だった。

あつくて

8月になりました。暑さのせいでボーっとしてしまいそうになるところを
頑張って本を読んだりして過ごしていますが、日に日にプールに対する
憧れが強くなっています。とにかく泳いでみたいのです。


まあ、暑くて外に出たくなくなっているので冷たいものを食べているだけ
になりそうですが。
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