FC2ブログ

たぶんといえど

「多分」。


その度合いの確信で動き出すのはなかなかに困難である。書く事は出来るだろう。その考えを補強してくれるような確固たる事実が現にあるわけではないし、これから何かが起るという保障もない。それでも、その「多分」という確信の状態で動くしかない場合もあるのだろう。


「多分これでいい」


勿論その確信はそれを揺るがせるような事があればすぐに「本当にそれでいいのか?」という懐疑になる。そういう事も含めて「多分」なのだと思う。


少なくとも「多分これでいい」と思えるところまでは、日々確認していこうと思う。
スポンサーサイト

満足

自己満足と言えば自己満足で、不満だった事を何とかしようとしていた創作とか投稿とかが実際にある程度まとまったものになり創作しているうちに気付いたりすることもあって十分報われているなと感じてしまっています。「しまっている」というのもわざと臭くなってしまうような満足感があります。

淡く脆い ㉑

連続で画面を見続けていたので自分が借りたラブコメ映画も流石に集中できなくなってきた。そうしてふと隣でうんうん頷いたり、真剣な眼差しで映画を見ている女性をぼんやり見つめている事に気付く。色々な表情を持っている芳井さんだけれど、こういう時には見惚れてしまう。端正な顔立ち、スッと通った鼻梁それでいて柔らかさがある。


あんまりじっと見ていた為か、彼女も視線に気が付いて「どうしたんですか?」と顔を向ける。思った事は偽らない主義だけれど、だからと言って全部言ってしまうのは躊躇われる。今思った事は心に秘めていた方がいいのかなと思ったりした。


「いや、すごい集中力だなって思って」


「えへへ…良い映画なので」


ラブコメ映画特有の淡い色遣いが多少わざとらしくもあるが芳井さんの言う通り、見ていると「恋愛をしてみたくなる映画」なのは間違いなく、そのカテゴリーの映画としては非常にいい出来だと思った。


「芳井さんは恋愛とかしない主義なの?」


映画が終盤に差し掛かる辺りでつい映画の展開に沿って質問をしてしまった事に言ってから少し後悔したが、自然な流れだったので特に問題ないかもと考え直した。芳井さんはその瞬間「え…?」と呟いてこちらを見た。


「あたし、そういう風に見えます?」


本当に不思議だという気持が現れている強い口調だった。


「いや、見えないんだけど、芳井さんみたいな人だったら普通に彼氏とか出来ると思ってさ」


答えた後も尚も不思議そうな芳井さんだが、一応話には頷いてくれる。


「そういう考え方もあるんですかね…。でも片霧さん大事な事忘れてますよ?」


それに続いたのは少し得意げで、何かを言いくるめようとしているような言葉だった。


「好きな人が出来なければ恋愛はできないんですよ?」


思わず「はっ」としてしまった。実に当たり前な事なのだが、どうも『彼氏彼女』というのを一種のステータスのように見てしまっている自分がいたようなのだ。ただ、その話を引き継ぐとこういう話になる。


「じゃあ、芳井さんって今まで好きな人とかって居なかったの?」


「…そ…それは…」


芳井さんは途端に口ごもってしまった。居ないというわけではない。この様子をみればそれは誰にでもわかる。ライトノベル的な鈍感主人公よりはもうちょっと変な期待もしてしまいつづけている自分だが、いざここから何かを聞き出してその結果『自分ではない』と知らされた時を想像してしまう。いや、それ以上に彼女からの信頼を裏切るのが怖い。不純な動機で芳井さんと向き合う事は自分には出来ない。


「ま、まあ、好きな人くらいいるよね。ごめんね、変な事訊いて」


一体この言葉は何なのだろう。自分の言葉ではない様に思える。


「いえ…で、でも…か」


その時、芳井さんの言葉を遮るようにテレビから「好きだぁー!」という声が聞こえてきた。ラブコメのクライマックスとも言える告白のシーンだ。その瞬間、二人ともその場面に見入っていた。


「いいなぁ。こういうのって。思うんだけど、映画ってちょっとした勇気をくれるんだよね。ちょっと踏み出してみたくなるっていうのか…」


「そういう作品は素晴らしいですよね。そういえば片霧さんは好きな人って居るんですか?」


あまりにも自然な感じで訊かれたので、実を言えば少し困ってしまった。何でもない事のようにポーカーフェイスで訊ねているけれど、色んな可能性を考えてもこんな風に全く分らないという事はない筈なのだ。多分、今少し踏み出すべきなんだろうなと思う。


「今までそういう人って居なかったんだけど、最近できたよ」


「どんな人ですか?」


芳井さんはいかにも興味津々という様子で訊いてくる。「いかにも」そうなのだ。


「うんとね俺が思うに凄く頑張り屋さん。いまその人凄く大変で、だから何とか支えたいなって思ってるんだけど、そういう時はさ俺が好きって伝えたら困るような気がするんだ」


「…」


彼女は静かに言葉の続きを待っている。


「でさ、もし彼女がこれから自分で踏み出せるようになったら、その娘に告白してみようと思うんだ。人生初」


「そうなんですか。今しちゃえばいいんじゃないですか?」


事もなげに言う芳井さん。


「でもさぁ…フラれて友達関係も無くなりそうなのが怖いんだよね。一緒に居るだけで幸せな部分があるんだよ。勝算はあると思う?」


それに対して芳井さんは「いかにも」悩ましいといった表情で言う。


「うーん…大丈夫だと思いますけど。っていうかダメでも友達で…」


言いかけた時、芳井さんが言葉に詰まった。そして本当に辛そうに、


「私ズルいですね。これだけは嘘つけません。もし片霧さんがその娘から「友達のままでいよう」って言われたら私が付き合ってあげます」


と言った。少し目に光るものがあった。言い終わった後少し経って二人とも可笑しくなって笑い出してしまった。


「そうだね。ダメでも芳井さんと付き合えるなら告白できるかも」


「でも、ダメって言わないと思いますよ」


「いや、女の子って何考えてるか分んない事があるからさ」


「じゃあ…私何となく頑張んないとなぁ」


「俺も…」



見つめ合って微笑みあっている時に丁度映画のエンディングだった。

淡く脆い ⑳

32インチの画面に映し出されている世界はよく見慣れたものだった。そのドラマは寡聞にして知らなかったけれど、主役を初めとしてお茶の間でよく目にする俳優、女優が多数を占めていた。深夜帯や衛星放送などの視聴率が恵まれないドラマではなく、恐らく地上波で放映される主要な番組の一つだったのだろう。


場面は実際には非常に見栄えのするが「冴えない男性」という設定の主人公が仕事上のトラブルが切っ掛けで地方に左遷された所である。


「これって第一話だよね」


「はい」


展開を見ていれば明らかに一話目だという事が分るのだが、録画されたDVDがここから始まるという事はこの回から芳井さんが登場するのだろうか、という疑問が起ったのである。


「この回から出てるの?」


訊いてみたところ、


「ええ。もうすぐ出てきます」


と言われたので画面に集中する事にした。すると5分くらい経ってその主人公の男性が飛ばされた地方の支社に通勤する為に乗車したローカル列車に乗り合わせたセーラー服を着た若い女性と目が合うシーンがあった。思わず「あっ」と声を出してしまったが、その女性こそ芳井さんが高校生の役を演じているものだと分った。隣を見ると本人は少しだけ恥ずかしそうな顔をしている。そのシーンはそれだけだったが、何かの伏線と思われる演出があった。


「芳井さん…制服似合うね…」


場合によっては失礼な物言いともなりそうだが、この場においてはこれよりしっくりくる言葉がない称賛だった。


「学生時代はブレザーだったんですけど、この時初めてセーラー服を着ました…ちょっと嬉しかったです」


登場が一瞬だけなので印象を語るのは難しいけれど、その設定にすっかり溶け込んで普段よりも一層若々しい感じが出ていた。


「なんか若々しい感じに見えたね。勿論、今も若いんだけど」


「あ、はい。ここの演技指導が『もうちょっと生意気な感じに』だったんで、多分上手くいっていると思います」


そしてドラマは進んで行く。主人公が所々表情に出して表現しようとしている『違和感』が地方のペースにあるのだろうなという事が仄めかされながら、出社してからのちょっとした衝突や意見の食い違いなど、お決まりの展開があってクタクタになりながら初日が終わったところで一段落なのかCMが入った。


「導入はこんな感じです。ここから先にドラマも面白いんですが、私が関係する4話が一応メインと言えばメインですね」


「じゃあ、その話を観よう」


提案すると芳井さんからリモコンで操作するように頼まれた。そして再生が始まった4話は話の冒頭から芳井さんが出ていた。同じく制服姿で母と喧嘩し自室に籠って、


『何でこうなっちゃうのよ!』


と声を荒げている芳井さんが演じている「愛」という少女。その後すぐ視点に切り替わり回が進んで何処となく地方に慣れた感じになっている主人公の「栄一」が起床してゴミ出しをして出勤するまでに回想が少し挟まれながらドラマが進んでゆく。何か仕事上の事で悩んでいるような栄一が一話と同じように電車で移動している時にある違和感に気付く。


『あれ…?今日は居ないのか』

栄一が何気なく呟いた言葉を芳井さんが説明してくれる。


「実は、2話と3話にも一瞬だけ「愛」と電車で目が合ったり「愛」の落し物を拾ってあげたりするシーンがあって、彼女とこの電車で乗り合わせるのが日常になっていたという演出があるんです。それで栄一がこの日は「愛」が居ないって事に気付くシーンですね」


「なるほど…」


説明されたことに頷いているうちにドラマはどんどん展開してゆく。悩みが解決しないまま仕事を終えて帰宅しようとした時、既に外が暗くなっていたのだが栄一にとって意外な所で「愛」を見掛ける。それは帰りがけに寄ったこじゃれたバーだった。当然ながら酒を提供する店なので学生が入るような場所ではない。けれど「愛」はバーの入口で無言でドアを見つめたまま立ち尽くしていた。


『君、もしかして…?』


『あ…』


栄一と愛はお互いの存在に気付く。栄一は何気なく、


『入りたいのか?』


と言ったところ、愛は小さく頷いた。彼女の様子からして何か理由があると思ったのか、保護者を装って一緒に入店し、店のマスターが「いらっしゃいませ」と言いかけたところで絶句し、


『愛…どうしたんだ!!』


と言った。


『別に』


愛はぶっきらぼうに言う。後で分った事だがこの店のマスターは愛の父親だが、母と離婚をしていたのである。そういうありふれているかも知れないが当人にとっては非常に複雑な事情を察し、栄一は愛に親身になってゆく。4話の終わりには幾分穏やかな表情になった愛の姿があった。


「うわ…凄いね…芳井さん」


演技だと分っていても芳井さんが別人に思えてしまうのが不思議だった。素直で穏やかな性格をしている事を知っているだけに自分にとっては豹変にも思えるのだが、当の芳井さんは若干まごついている。


「どうでした…?」


自信が無さそうに訊ねる芳井さんに今思ったような事を精一杯伝える。すると、


「なんか、今頃自信が出てきちゃうのもちょっと悲しいですね」


と複雑そうな表情を浮かべていた。その時「そうだった」と思った。このドラマに出演している芳井さんは今、違う道に進もうとしている所なのである。決断が揺るぐような事を言うべきではないのかも知れない。けれど、言わなきゃならないような気がするのだ。


「芳井さんが一生懸命頑張って来た事が分る良い演技だったよ。感動した…ドラマもだけど、、その…」


芳井さんは表情を変えこちらを見つめている。それはなんと言っていいのか分らない表情だった。ただ一言。


「間違いじゃなかったんだな…」


雰囲気を壊したくなくてその場では聞かなかったけれど、しばらくその言葉の意味を考えていた。

長く

意識において、意識が続いている間に言葉で表現できる事の内容を越えているような事を表現しようとしていたような気がします。


この文自体も言葉として把握し続けることは難しいですが一旦それを「こういうこと」と自分の直観の中で結び付ければ迷わないでしょう。それはさておき言葉で捉え切れないようなというよりは、意識しつづけることが難しいような事があるのも確かです。特に適切な単語が無い場合にはどうあっても一旦文章で定義するしかないのです。ところが普段の意識は必ずしも文章として捉えているわけではなく、短い単語とか固有名詞を組み合わせて「主語」になれるような言葉として区別しています。


もちろん、自分の中では「これ」として把握しているし、説明する際にもそれがそれと分って説明できるのでいいのですが、ツイッター上で説明するのは無理だなと思うこともあります。だからこそブログという表現手段が有効なのだなと改めて思ったわけです。


で『結局伝えたい事は何なのだ』という事ですが、それが一番最初に説明したような、意識が続いている間に言葉で表現できる事の内容を越えているというような性質がある事柄のような気がするのです。「無い」というわけでもなく、伝えたいけれど気長に構えていなければ伝えられないような事、でもあるでしょう。



ツイッターのような流れの早いところでは「一つ」として表現する単位を小さくする必要があります。その瞬間瞬間も大切なのですが、ある程度歳が行ったせいか『瞬間』の単位もちょっと長くなってしまっているように思えます。



もしかするとそう長く構えている間にしか見えないような事もあるのかも知れません。もっとも、仕事はそのスピードでは上手く行かない可能性もありますが。

淡く脆い ⑲

しんみりして少し気恥ずかしい雰囲気を何となく誤魔化したいような気持になり、やにわにレンタルしてきたDVDをバッグの中から一枚取り出してプレーヤーにセットした。芳井さんが、

「何にしたんですか?」

と言ったのだが、実は見て選んだわけではなくバッグの中で最初に掴んだケースに入っていた「名無しのコード」という邦画をセットしていた。


「芳井さんが選んだやつだよ」


「ほぅ。最初にそれにしますか!」


その言葉には僅かに感心しているような響きが含まれている。


「違うのの方が良かった?」


すると芳井さんは先ほど運んできた紅茶を口に含んでからこんな風に言った。


「いえ、映画と映画の間にアニメを挟めば丁度良いのかなと思いまして」


考えていなかったが確かに映画をぶっ続けで見るのは疲れるから、アニメで気分転換をするのもいいなと納得した。そうこうしているうちにセットしたDVDが自動的に再生されて、お決まりの他映画の宣伝が最初に流れた。比較的マイナーな邦画の会社のDVDだからか宣伝される映画も知らないものが多い印象。


「意外とこういう宣伝で見たいのが見つかる時があるよね」


「ええ。面白そうに編集するのも腕の見せ所ですよね」


「でも飛ばしたい時があるのは…」


「はい…。流石に10分以上あると飛ばしたくなりますよね」


などとDVDあるあるを話しながらちょっとばかり待った。やがてリモコンで選択できる画面が現れて本編の再生を選ぶ。


「どんな映画なんだろうね…」


書店でも訊いた質問だったので「ええ」という同意だけだった。そして芳井さんは映画館もそうだったが次第に画面に集中してゆく。前の時もスクリーンに見入ったまま、時々顎に手を当てて何かを考えているような様子になる事もあったが、ほとんどこちらの事を意識していない様にも感じられた。実を言うと、芳井さんがその方が自分が女性と一緒に映画を見ているという事を意識しないで済んで気が楽だった。そしてほんの少しだけ、薄明りの中で真剣な表情をしている芳井さんに見惚れてしまいそうになったものだ。


今回はその時よりは幾分リラックスしているようで、映画が展開してゆくにつれちょっとした解説をし合ったりしながら本編を楽しんだ。ただ「楽しんだ」とはいうものの、基本的にはドラマチックな展開なのだがミステリー的な要素がちりばめられていて最後まで気を緩められなかった。芳井さんは俳優の演技面に期待していた部分があるらしいので、どちらかというと構成と演出上のトリックを用いる様なこの作品は求めていたものと少し違うようだった。


「ストーリーは良かったですよね。でもこういう作品だと俳優さんの個性が出ないと思います」


その評価は演じる側の一つの見方なのだろう。けれど、インターネット上の「名無し」の情報を頼りに少しづつ真実に近づいてゆく男女の姿は妙なリアリティーがあるというのか、大衆向けの映画にはない奥深さが感じられた。そういう事を咄嗟にはうまく言えないけれどぼそぼそと述べると、


「そうですよね。やっぱり作品としての完成度は素晴らしかったです」


と付け加えてくれた。映画が終わると昼になったのでどこか近場で食事をしようと提案した。ただ芳井さんは意外にもこの家で食べたいとの事である。それに加えて芳井さんは今日駅で会った時から大きめだなと思っていたバッグを抱えて少しもじもじしている。


「あの…その…今日ですね、実はこんなものを用意してきたんです」


かなり言い辛そうだったが、何かを躊躇うような動作でバッグの中から何かを取り出す。勘が良い方ではない自分もそれが何なのか一目で分った。


「あ…もしかしてお弁当?」


芳井さんは静かに頷いた。その時異様なまでの感動が急激に起って、


「うわ~!!マジうれしい!!!」


と少し大声で叫んでしまった。その声で彼女を少し吃驚させてしまったようだが喜んでいるのが分ったのか、芳井さんも満面の笑みを浮かべる。「あまり料理は得意な方ではないんですが」と謙遜していたのとは裏腹に、健康のバランスが良さそうなしっかりしたお弁当だった。


「旨い!!めっちゃ旨い!!」


自分も料理は好きな方なので、これを作る手間がよく分かるだけに感動もひとしおである。芳井さんは自分用の小さいお弁当箱の可愛らしい料理をちょこちょこと食べ始めた。この間に借りてきたDVDのアニメを再生していたのだが、高校生の青春ラブコメとお手製の弁当という組み合わせが非常に良く、まるで学生時代に戻ったような気分でアニメを見ていた。


「やばい…なんか今めっちゃリア充の気持ちになってる…」


「私もその気持ちです」


ただし、何処かしら客観的に自分を見つめてしまう気持がその雰囲気を微妙に否定している。アニメ…というかその作中の男の子と女の子の関係も少し複雑そうなのが分って明らかにボーイミーツガールの王道なのに、DVDに収録されている2話までではまだどうなるのか分らない感じがした。


「あぁ…やっぱりここまで見ちゃうと続きも見たくなるよねぇ…」


「ですよねぇ…」


既に食事は終わっていたのだが、すっかり作品の方に引き込まれてしまっていた。すると芳井さんは何かを思いだしたのか再びバッグの中から何かを取り出した。


「この流れを遮るようなんですけど、実はこれを持ってきたんです」


「あ、DVD?これって?」


「私が…ちょっと出演しているドラマです。一番大きな仕事でした」


それを聞くと僅かだが緊張感が高まった。渡されたDVDで自分の知らない芳井さんが見れると思うと身構えてしまう。芳井さんの方もそんなこちらを窺うようにして少し不安そうに見つめている。


「じゃあ、再生してみるね」


なるべく平静を装いつつセットする。

仮想から

重要だと思って本気になってしまう事というのはあります。「淡く脆い」の設定上『演技』の事を考えることが多いのですが、それを考えるうえで一つの鍵になるのは『本気』という言葉ですね。といっても一時的に周り雰囲気やらお酒の力でテンションが上がったりする事が本気というよりは、それぞれのテンションで絶えずそう考えている事を着々と実行してゆくというのもそれも一つの本気だと思います。


制御され計画性のある行為に取り組む本気と、一瞬に全てを賭ける様な本気。


恐らくどちらが優位という事ではないのでしょう。どちらも強い意志を必要とすると思います。


と、ここで「弱い意志」について考えることもあります。これも『演技』に関係しているというのか仮想現実の行為を説明するような気がします。弱い意志、或いは強くそう思っているのではない事。現実世界ではそういう気持ちで考えた事は空想なり妄想として退けられますが、例えば創作の世界や、演技の世界などではむしろそういう「現実」を前にした本気ではないにせよ、何らかの条件が揃えばそう行動してしまうような意志が大いに関わっているような気がします。


仮想現実で極端な話をすればその世界内の「暴走的」な行為をしたところで、コミュニケーションをしている人としては迷惑をこうむる事もあるかも知れませんが、現実世界に反映されるようなものではなければその影響はありません。ただその仮想現実が世の強い関心を持っていたり、そこに強く惹きつけられている、乃至依存している個人がいる場合、それはある意味で現実世界での暴走に限りなく近いものとして捉えられます。



関心の強さ、依存の強さ、それは本気を度合いを示す意味もあるのでしょう。課金ゲームでお金が絡んでくると非常にややこしくなる問題もありますが、逆にそれによって緊張感(本気)が生まれてくるという興味深い点があります。それはプラットホームが違うコミュニケーションや競争においての「遊び」を少し超えているような何かですね。


「遊び」も本気を語る上で対照的に語られるわけですが、この考察は機会があれば。


「淡く脆い」の話に戻すと、今『演技』の部分をどう描くかという事にとても苦労しています。自分も意図せず演技的になったことはありますが、お芝居としての『演技』そのものは経験していません。ただ、小学生の頃の劇の発表で、本番お客さんというか家族が見ているのを意識し過ぎて役になりきれなかった上に1分くらいの出番でめちゃくちゃ緊張していたし、『赤っ恥』だと思っている意識がずっとありました。



なりきるその役がその世界に本当に存在する、というような感覚で演技を考える場合、創作で女性視点で描く場合などは実際上、演技をしているのかも知れません。ただここで重要なのは、その役なり登場人物が「大事」だと思っている事を本当に大事だと思っているという事です。それに本気になった事が無いとそこでどう思うのかは本来は分らないと言ってもいいです。しかも「淡く脆い」では「芳井さん」という女性がお芝居という仕事に本気で取り組んでいたのであって、普段の「芳井さん」とは違う役を演じている芳井さんが…あるいはその役の人がそこに存在するようになっているのだとしたら、ややこしい事この上ないというのか。


創作の話はものの喩えで述べたのでこの記事の主題は、むしろ「自分が本気になっている事をやってみた」という経験とでもいうのでしょうか。ある意味で、それに本気になるとそこに全てが凝縮されてしまうように感じる事があります。歌にそれまでのすべてを注ぎ込んで歌ったり、少し夢を見ながらそれでいて満足のゆくものにしていきたい小説に時間を掛けるとか、主従の関係がよく分からなくなってくるのですが、歌の方で現実で本気でやってみた結果、間接的にですが小説の方も何かが分ってきたような気がしますし、ある意味では小説で書き進めたところから色々考えて、「自分でも本気でやりたい」と思えたという関係もあります。


そう思うとやはり強い意志ではなく、仮想世界でなら行為になるような度合いの意志でも、間接的に自分の現実の行為に繋がっているんだなと思うわけです。

まだあると思っても

「これでいいのか?」と迷う事が当然ですがあります。仕事の方ではそんなにでもないのですが、特に誰かとのコミュニケーションについてはいまだ試行錯誤しているような状況です。一つ悩ましいのは人生経験豊富な人の知恵を借りるという事で、いつでも聞ける状況にあればいいですがやはり新しい試みについては自分で判断すべき状況もかなり訪れます。理論がはっきりとあるような事ではなく、しかも「何が成功なのか?」という事についても曖昧な場合があります。


それでも踏み出してゆかなくてはならない。でもどう踏み出していったらいいのか分らない。或いは方針は決まっても、なかなか条件を満たすものができあがらない。実際上は手詰まりのような事もあるようで、発展や進展を感じない。


「自分が何が良いと思うのか」がはっきりしていない事に由来するのでしょうか。


未だ見ぬ何かを「良い」とするしかないような時、そんな「良いもの」がこの世にはないし、起こりえないし、あり得ないと思ってしまう事もあります。でも、これまでの人生経験の中では必ずしもそうではないと信じれる、つまり何かが見つかると信じれる時があるのです。


でもその辺、難しいですよね。
プロフィール

なんとかさん

Author:なんとかさん
ナンセンスな物語を書くつもりです。リンクフリーです。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
普通のカウンター
投票
無料アクセス解析
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR