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徒然ファンタジー20

ふんわりしたオムライス。ジェシカは今しがた平らげたオムライスと以前ファミレスで食べたオムライスについて何事かを思っていた。


<同じものなのに同じじゃない>


作っている人も材料も同じではないのだから当たり前の事であるが、ファミレスで食べた時には感じなかったような味覚における満足感があったのでジェシカらしい素朴な疑問で「何でなんだろう」という問い掛けが止まらない。


「あ~美味しかったね!!特にスプーンでオムレツを開いた時のトロトロ感と、口に入れた時のフワフワ感が最高だわ」


「量も昼だからこれくらいで丁度良いのよね。喜んでもらえてみたいで良かったわ」


「さすが京子だわ。わたしが見込んだだけの女よ!!」


「ふふ、なによその言い方。ねえ、ジェシカも美味しかったでしょ?」


「う、うん。美味しかった。けど…」


「けど?」


「何で美味しいのかな?」


ジェシカは真剣な目でシェリーを見つめる。普通だったら答えようのない質問なのだが、彼女らしい生真面目さとジェシカに対する配慮から「何で美味しいのか?」今一度冷静に考えてみるシェリー。


<なぜ美味しいか…何か特別な材料を使っている…とか、他には作り方が上手だからとか…>


「馬鹿ね、美味しくなるように作ってるからよ!」


思考に入り込んでいたシェリーとは対照的にそのまま思った事を口にするリリアン。そう言われればそうなのだが、そう言う風に了解しているだけでいいのかどうかは少し疑問である。


「あ、そうか!美味しくなるように作れるのか!!」


猫だから仕方ない部分もあるけれど、同い年の子にしてはあまりにも素直すぎる。納得したジェシカを見てリリアンは胸を張っている。対してシェリーは肩すかしを喰らっている感じである。


<それでいいの…?特にリリアン…>


親友の飼い猫に対しての強引さと、相変わらずの思考を垣間見て、シェリーは少しばかり不安になったがそこはあまり深く考えないようにした。


「さ、さて、これからどうする?」


「これから?京子、店の方は良いの?」


「一応今日は休みにしてるわ。明日は開けるけど」


「そう」


リリアンはリリアンなりに今回の小旅行でしたい事があったのだが、あまり下調べもして来なかったので具体性はなかった。ただ、時期的には訪れた町で有名な「菊人形」という催し物が見頃だという事は知っていたので、とりあえずそこに出向くのも案だなと思っていた。


「えっと、確か菊…人形っていうのが有名なんだよね、ここ」


「ふーん。さすがに調べてきたみたいね。そうよ」


「とりあえずそこは回ってみたいかな。結構珍しいんでしょ?」


「三大菊人形と言われているわね。案外地元の人は行かないかも知れないけど、お年を召した方が好んで足を運ぶという感じね。まあ何はなくとも菊人形かも知れないわ」


「じゃあ行きましょう!」


「そうね、実は私もまだ今年行ってなかったから丁度良いかも」


「決まり。ジェシカ、今度は凄いものが見られるわよ」


「凄いもの?」


「凄いかどうかは見て見ないと分らないと思うわよ。地元に住んでいる者としての率直な意見を述べさせてもらえば…」


「まあ行けば分るわ!」



二人と一匹は洋食店を後にして一路菊人形の会場に向かった。
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