FC2ブログ

かのデリバリーを待ち

落ち度がないという評価が正当と思われる空調設備にぶーたれる。束縛を脱してでも
駆け出してみたいヘリテージに某総合商社は目を付けたらしいということを新聞の流
し読みで見たような気がする。それがいつだったかはよく覚えていないけれど、この
蒸れる空間に対するアンチテーゼのメタファーという系統の思考を続けていたほうが
ましだなと多少は思える。自然科学が要請し、おそらくは暗に前提する再現性とは程
遠いレベルでのにわかな既視感が、手ごろな一般論を安易に持ち上げそうになってい
る。



痴れるものは、加糖コーヒーを密かに所望する。



僕は部屋に備え付けられた内線でアイスコーヒーを注文する。おそらくは添えられる
であろうシロップとミルクを当てにして、今は眼前のモニターを注視していようと試
みる。最善があるとすればどこにあるのか、例えばアイスコーヒーではなくてアイス
ティーの方が好かったのかどうかすら定かではないのに、昨晩ピンチヒッターに選ば
れた外野手の起用のいかんをどう問えばいいものか。まあそれほど興味のある話題で
はないものの、賑やかし程度には存在感を示しておきたいと思いつつネットという大
海の泡とでもいうべき呟きを吐いてみた。


まさに泡。あぶく銭というほどでもない、正当な労働の対価ですらあぶく銭のように
消えてしまいそうだなと危惧する気持ちがどこかにあってしかるべき。いつかの誰か
がそういったような気がするけれど、それさえも大いなる意識の中の泡。消えては浮
かんでくるものを捉えようとすれば、『はんぺんパラダイス』などというものを大真
面目に考えなくてはいけない時が来るかもしれない。それは何か?ただ浮かんだもの
である。ただ浮かんだものをただ浮かんだものにしないためには、それが浮かんだ正
当な理由を探すほかはない。ゆえに、『はんぺんパラダイス』は語られるべきなので
ある。もちろん、誰の前で語るべきかは熟慮する必要がある。



「つまり『はんぺんパラダイスとは』!!!」



ここで想像上の人物、『はんぺんパラダイス研究家 テロス・山崎氏』が颯爽と登場
するとする。テロス・山崎氏はこの密閉空間の絶妙に不快指数を上げている空調には
一顧だにせず、滔々と持論を述べる。


「『はんぺんパラダイス』を成り立たせる根幹である、現体制の脆弱性…すなわち
若年層の貧困は新たなる価値創造の機縁となり、独自の文化を生み出している。は
んぺんパラダイスとはいわばその表層を漂う異質な現れであって…」



なるほどそうなのか、分かりましたよ山崎さん。…とでも相槌を打っておかないと
延々と話を続けられそうなやつを召喚してしまう可能性も考慮にいれないといけない
のである。エアコンの「ガタ」っという軋みがうまい具合に現実的思考へと引き戻し
てくれる。



現実的にはこの後何時間この部屋で過ごしていようか、コストパフォーマンスを
考慮して決定しなければならない。ただ画面を見つめて曲を入力しないこの間は
何なのだろう。なぜ突如浮かんだ『はんぺんパラダイス』について黙考しなければ
ならないのだろう。まるで突っ込み不在のままボケ続けているような気がしてくる。
もし守護天使が僕を見守っていてくれているなら、我慢できなくなって吹き出して
しまうのではないだろうか。ところでテロス・山崎と守護天使はどちらが相対的に
実在性が高いだろうか?



実際のところどちらでもいい。テロスなんちゃらだろうが、守護神だろうが、現れ
てくれるものなら現状を打開してくれるに違いない。具体的には、


『僕が今なんの曲を入力したらいいのか?』


に適当なアドバイスをしてくれるんじゃなかろうか。僕が見落としていそうな、ベタ
な楽曲を思い出させてくれて、それなりに発散できるんじゃないか。もうそれこそ完
全な再現性を持って繰り返されるチャンネル動画がかえって自由な連想の邪魔をして
いるんじゃないかと思われてしまう始末。




僕は有り余る自由の中でもがき苦しんでいる。まるでそれは現代人に与えられた使命
であるかのようであり贅沢のようでもある。それにしては上方から吹き出す風の匂い
がどことなく臭い。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

なんとかさん

Author:なんとかさん
ナンセンスな物語を書くつもりです。リンクフリーです。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
普通のカウンター
投票
無料アクセス解析
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR