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てつがくねこ

猫。単純な呼び名だが、それぞれの猫はそれぞれの
特徴を持っていて、知れば知るほど猫という括りで
語ってしまうには惜しいほどの存在である。


「っていきなり、ボクについて考えてるの?確かに
ボクは『喋る』という特徴というか特性を持っている
特殊な素晴らしい猫だけれども、ボクはそんな猫と
一緒にいて普通に生活しているご主人の方が
不思議だな…にゃー」


「お前、いちおう「にゃー」ってつけて猫らしく
したつもりだろうけど、考え方まで人間じみてるぞ」


「でも可愛いでしょ?この尻尾とか、ヒゲとか…ボクは
人間が喜ぶポイントを押さえているから、なんだって
ござれですよ」


猫。私が拾ってきた猫(マロ)は、凡そ1年経った頃に、急に
喋りはじめた。マロは


『ボク、実は喋れるんです』


とカミングアウトするや否や、自分の生い立ちについて述べ始めた。
と言っても、その生い立ちはほぼ私が知っている事であり、要するに
マロが喋らない間何をどのように見ていたのかを私に語った
だけである。


『ボクは、こんなご主人に拾ってもらって、とても幸せだな
と思ったのですが、、、』


私はその時夢でも見ているのかと思う気持ちと、確かに現実だと
確かめて了解している部分が混在していたが、話が辻褄が合うばかり
なので、一応そこまで驚きながらも頷いていた。だが、様子が
少し変わったのを感じとって、

『思ったのですが?』

と訊いたら、


『ボクは、自分が喋れるという事に気付いた時、ご主人にこの事が
知れたら、ご主人はどう思うのかを悩み始めました。1歳とは言え、
猫にとっては十分大人なのです。だから、ボクはこのまま喋らず
猫然として過ごしても良かったのです』


確かにそうだなと思い、私はマロに共感していた。マロは続けた。


『でも、ボクの気持ちを知ってもらうという事は、全世界の猫好き
人間、全ての猫にとって価値があると考えたわけです。そう、幸福
の為に…』


『ちょ…ちょっと』


『そう、ボクのこの能力は、猫と人間を繋ぐ奇跡の力!!!』


『まぁーてい!!話が飛躍し過ぎだ!!ふつうそこは、ボクは
ご主人を愛するがあまり、とかそういう風に考えないか?』


『はぁ…前から思ってましたが、ご主人はつまんない人間ですね。
いいですか?見る人が見たら、ボクは凄い生き物なんですよ、
世間さまの中でご主人しかこの事を知らないって勿体ないでしょう?にゃ』



『話は分かったけど、そこで「にゃ」って必要か?』


『一応猫としての自覚を持っていますので…』


この頃から、余計な「にゃ」をつける癖がある。その後世界とか
幸福とかいう言論に疎い私には眠くなる話になったので、適当に
あしらって、私は風呂に入って寝た。


次の日起きたときも同じ話をされて、眠くなった。それ以降、
この話はマロと私にとって平行線のようなテーマで、のらりくらり
と躱しながら、マロとの会話を楽しんでいる。


「ご主人。今日こそ、その飽きっぽさについて改善を要求します」


私は、ふくれっ面をしてこう答えた。


「にゃ!!」


「ご主人!!」
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猫を使って一稼ぎ

え゛、番組の出演は猫だけでいい?飼い主はイラネ?出演料は猫の希望でかつをぶしひと箱・・・て、それあんまりだろう。

Re: 猫を使って一稼ぎ

猫が喋ったら、という想像は良くしますがあんまりにも賢過ぎたら飼主も色んな事を考えるでしょうね。この猫の場合はちゃっかりしているのでジャーマネーがどうだとか、その辺りも自ら交渉するかも知れません。
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Author:なんとかさん
ナンセンスな物語を書くつもりです。リンクフリーです。

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