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こうこつねこ

喋る猫マロ。マロは喋るけれど、その他の事については
猫然としていて、好物はささみ系の餌だし、時々おやつも
要求する。だが飼い主として倫理的に悩んでいる事が一つある。

「ご主人。今日はそろそろ例の時間ですよ」

「マロ、毎度思うがお前には必要なのか、本当に?」

「何を仰いますか。ボクだって必要なんですよ。こんなご時世ですからね」


と偉そうな事を言うと、マロはとてとてと台所の方に向かう。
そこに置いてある餌用の容器の前にちょこんとすわり、


「にゃ~ん」

とわざとらしく鳴いて催促する。マロが猫だという事は疑いない。
だが、猫だが話が通じて、恐らくは合理的な思考も出来るであろう
マロにとって、本当に「それ」が必要なのかいつも疑問に思ってしまう。
「それ」は普通の猫だったら、飼主が当たり前のように与えている
ものである。


「ご主人だって、お酒飲むでしょ。それと同じようなものですよ。早く!」


「酒とはちょっと違うような」


と言いながら、私は冷蔵庫にしまってあった「それ」を取り出し、容器に
ちょんちょんと少量落としてやる。


「うわーい!!うへへへへへへへへへへっへへへへへへへへへへhhhhhh」


「お前、他の猫より今の瞬間だけはキモいぞ!!」


「へへへへへへhhhっへへへへっへっへへっほいおあおあいおあいあpじゃpj」


「それ」は他でもない、ただの「またたび」である。どこででも売っているような
「またたび」をパウダー状にしたものを少量与えただけなのにマロは興奮して
人間で喩えてはいけない様子になっている。既に舐め終わって、身体を滅茶苦茶に
くねらせ、

「はぁ…」


と恍惚の声を上げている猫がそこに居る。この豹変ぶりにいつも戸惑ってしまう
し、何となく悪い事をしているような気分になってしまうので躊躇われる。


数時間後。


「ご主人、まったく今日もダメダメですね。洗濯物干し忘れてますよ」


「…うん」



そこには少しだけ上機嫌で、何事もなかったかのように私にダメ出しする
マロがいた。
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