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ナンセンスとそれから

物語を書くつもりです。リンクフリーです。

ありがとう畑

Posted by なんとかさん on   0  0

今朝、とある知り合いから新鮮な感謝状が届いた。


『ありがとう畑よろこんだわ芋』


この一文の意味を考えている間に子供達が徒党を組みだした。一人だけ所在なさ気に訴える。


「ぼくはあぶれてしまったのです」

あぶれ少年が言ったのを気にしないようにした。そういうのは自分で解決しなきゃいつまでもあぶれる。油で揚げる…。



豚カツが美味しい季節になった。冷静に考えるといつも美味しい。ほわほわした感覚でポージング。ファールフライを打ち上げた強打者が上を向いて口を開けているポーズ。あぶれ少年が言った。


「おじさん。ホームラン打てなかったの?」


「少年。良くファールだと分かったね。これは相当に難しいジェスチャーゲームだよ」


「だって、おじさん『ファールフライ』って言いながらやってたじゃん」


「そうだっけ…?モノローグにはないな」


「モノローグに書かれてある事しか起ってないわけじゃないからねって忠告しなきゃダメ?」


「駄目でもない。駄目でなくもない。要するに、どっちでもいい。あぶれるのは駄目だけど」


大人げない毒を少年に向かって吐くのはあんまり良くないけど、ダメという法は無い。一般常識的に考えて駄目だろうと思ったが、たくましい少年に育って欲しいという願いを込めてポイズン。


知り合いから届いた感謝状には『P.S. この前彗星が蒸発しましたね』とあった。字面に笑ってしまった。笑ったけれど、お前がこの前蒸発した事は許さない。


「なんで蒸発したんだろうね?」


少年は純粋な好奇心で訊いてくる。


「俺がいじめ過ぎたせいだ…」


「は?何言ってんだ?物理的に不可能な事ぬかしてんじゃねーぞ」


意外にも科学的な発言に厳しい少年はこの老いぼれを罵倒する。でもこういう時は少しくらい聞く耳を持ってくれてもいいじゃないかと思った。


「そんなんだからあぶれるんだよ」


一応忠告はしておく。


「正論を言ってあぶれるんなら、それもまあしょうがないよね」


昨今、達観している少年が増えているとかいないとか。めんどうくせえ時代になったもんだ。


「めんどくせえ時代になったもんだ」


「本当にね」


面倒くさい者同士が会話してんだかしてないんだかよく分からないコミュニケーションを取っている今日この頃。

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なんとかさん

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