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けいさんねこ

土曜日の昼下がり、仕事疲れもあってコタツに入ってついうとうとしていたら
胸のところにちょっと圧迫感。最初は何でもないけれど、時間が経過するに
つれてそのちょっとも大分辛くなってくる。私はうめき声をあげて、猫に訴える。

「おい、マロ…ちょっと重くなったんじゃないか…どいてくれよ…」

雄猫2歳、マロは秋口から食欲が増したのか食べる量が増えていて、以前よりも脂肪が
蓄えられているように思える。


「むにゃむにゃ…御主人もう食べられません…むにゃ…」


図々しいまでに私の身体に乗りかかるぽっちゃり体型になってしまったのは飼主の
責任もあるかも知れない。一般的にはそうだ。でも偏りつつも知性があるこの猫に
ついては自己管理が可能なはずで、それを怠っている事については一言述べる
必要があるようだ。


…と喋るこの猫の事を知っている人からすれば当然で、知らない人からしてみたら
何の事かさっぱり分らないであろう事を私は普通に述べているに違いない。後者には
『私も最初は戸惑ったが、とにかく受け入れる事から始めよう』とアドバイスしておく。


とにかく私はマロを一旦床に降ろして、眠い目を擦りつつマロに告げる。


「マロ。とにかく痩せよう。痩せたら幾らでも乗っかってきていいからさ」


「…御主人。ひとが折角良い気持ちで寝ているのを邪魔して、挙句の果てに痩せろですって?
ボクのどこが太っていると言うんです?」


「鏡見るか?」


「にゃ~」


都合が悪くなると猫の真似をする猫。これもう何の事かわかんねぇ。そちらがその気ならこちら
にも作戦がある。私は立ち上がって浴室からある物体を取って来た。


「マロ。これが何に見える?」


「体重計、或いはヘルスメーターですね」


「猫の体重も測れる。これなら客観的にどれくらい太ったか分るぞ」


「ふ…ボクが素直に測らせるとでも?」


するとマロは私の股の間をすり抜け走り去ってしまった。猫についての雑学だが、
見た目に太っていてもダッシュすると結構速い。そんな事を再確認している間に、
マロはどこかに隠れたようである。ただし隠れてもあまり意味がないという事に
マロは気付いていない。


「測らないんだったら、俺の判断で餌減らすけど?」


「うんぎゃ~!!!!!!!!」


その悲鳴は、主に『猫ふんじゃった』しないと出ない声である。そのあと微妙に時間が経ってから
ぶつぶつと文句を垂れながらマロが歩いて戻ってきた。


「御主人。じゃあ測る前にボクと約束してください」


「なんだ?」


「もしも、体重が以前測った××キロ(プライバシー保護)にプラス500グラム
以内だったらこのままで許してください。もし駄目だったら、以前測った体重にな
るまで減量を行います」


「ほぅ…それでいいのか?」


「ボクもおとこです。おとこに二言はありません」


「よし、じゃあ乗れ!!」










…結論から言おう。プラス450グラムで、絶妙な具合に回避していた。っていうか、
この量だとトイレに行ったか行かないかで微妙に変動するぞ。そういえば、さっき戻っ
てくるのに時間が掛かっていたような…


「マロ…。もしかしてさっき…」


「なんのことですかね?」


シラを切り通すこの猫は、かなり計算高い猫である。
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