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激しく無駄な、エトセトラ

掛け値なしに不自然な森の中に迷い込んだマイケル。明らかに人の手が加えられていて、迷路としか言いようのない道が出来あがっている。要所要所にはやっかみボーイ達がじっと立っていた。やっかみボーイ一号は深々と帽子を被った太っちょの少年で、出会いがしらに

「ここを通りたくば、僕がどうやったら女の子にモテるか提案しろ」

と言ってきた。マイケルは、

<めんどうくせぇから引き返そうかな>

と思ったが、彼の後ろには既にやっかみボーイ二号が立ち塞がっていて、


「戻りたくば、僕がどうやったら女の子にモテないか提案しろ」


と言い放った。やっかみボーイ2号はこれと言った特徴のない身なりをしているので考えるのが余計面倒くさかったし、「モテる」為の方法より「モテない」方法を考える方が(一杯あって)わりと面倒くさいという事に気付いて、やっかみボーイ一号の相手をする事にした。


「考えてやるから、とにかく個人情報出せよ」


マイケルは普段仕事でプロファイリングをする要領で進める事にしたのだが、一号はこれを拒む。


「なんで僕の事を教えなくちゃならないのさ。匿名のご時世に」


「スペック分らないと考えようがないじゃないか」


「そんなの見りゃわかるだろ。僕はちょっとばかし健康的なんだ。僕が牛ステーキを頬張っているとママが「いつもお前は健康的で良いね」と言ってくれるからね」


「分った。もういい」


一号は恥ずかしい事を伏せて話したつもりだが、あまりにも見た目と矛盾しない典型的な発言だったので早々に察したマイケルは一呼吸おいて告げた。


「お前はまず色々と自覚するところから始めような。そう、「察する」事が上手になると女の子にモテる(かもね)」


「え、本当に?」


「ああ、本当だとも。おじさんが嘘をつくような人間に見えるかい?」


一号は帽子を上げて、意外にもぎょろぎょろとした目でマイケルの瞳を見つめる。幼い子供の熱心な眼差しに耐え切れなくなったマイケルは、


「まあ、おじさんのことはどうでもいいから、君は早く家に帰って「察する」訓練をした方が良いぞ」


「あ、そうだね。分かったありがとう」


そう言うとやっかみボーイ一号は森の奧深くに消えていった。取り残されたマイケルと二号はしばしの間見つめ合い、


「モテない方法はな、ああいう風に鈍感になることだぞ」


とマイケルが言うと、


「あんまりいじめないでくれよ、僕の弟…」


と少し悲しそうに言った。やっかみボーイ二号も森の奥に去ってしまうと後味の悪さだけが残った。マイケルは進退を自由に決める事ができたので迷わず、


「カレー食べに行こう」


と呟いて元来た道を帰った。残されたやっかみボーイ達は花札で遊んだそうである。
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どうやったら金持ちになれるか教えろ

 一所懸命稼ぐ事だ。 
 ごもっとも・・・。

Re: Re: どうやったら金持ちになれるか教えろ

> こんばんは。
>
> その通りですね。
>
> 「実はね、金持ちになる秘密を書いた本を今日は特別に100万と56円で売って譲ってあげますよ」
>
> と言って、
>
> 『この本をコピーして100人に100万と56円で売りつける』
>
> という内容が書かれた本を…。
>
>
> なんてやってはいけません。
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Author:なんとかさん
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