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蛇年に

緩慢な動作で絵文字を打っている。最初は色々と工夫していた記憶があるけれど、今は何だかんだで使うのが面倒になってきた絵文字。おそらく性格的に人目を気にし易いとか、内気だということも影響しているだろうし、何よりポーカーフェイスで居たいと思う私は表情を相手に気取られるのがあまり好きではないので、顔文字も使わない。しかし、世間一般的にそれを堅苦しいと思う人も少なくないらしく、そのままのイメージを崩したくない気持ちと堅苦しいと思われたくないという気持ちがぶつかり合って、この緩慢な動作に行き着いている。

普段の私だったら、このネットスラング溢れるご時世に、逆に形式ばって

『どうもご無沙汰しております。元気ですか。こちらは元気です。ところで…』

といかにも事務連絡的に始めるところを、ここでは普段私がやらないだろうと思われるほどフランクにかつネットに汚染された感じで、しかも新境地を開拓するみたいに、

「やぁ(^q^)げんき?ぼく、げんき(^6^)」

っていう感じで書きだしてみたらいいんじゃないかと思ったのだけれど、そこはチキンな私だから

「やあ元気?こっちは元気だよ(ここに適当な絵文字)」

という文面になってしまった。メールにしてしまうとこういう紆余曲折が表現されないのが実に惜しい。後々の事を考えれば、結局妥協しなければならない。私のイメージを保つためにも、おふざけが過ぎてはいけない。


さて、文面はあらかた考えた。


「やあ元気?こっちは元気だよ(絵文字)
今年もよろしくね(絵文字)(絵文字)(絵文字)」


…なんだろう。とても素っ気ない感じになってしまっている。というか、私の場合文字で独特の形容詞を挟みながら回りくどく表現するのが好きだから、これで100パーセント私の言いたいことが表現されているという気になれないのである。しかし、理論上これでも十分伝わるはずなのである。けれど十分に伝わらない可能性を考慮して、最初だから絵文字を解説してみたらいいのではないかと閃いた。つまり、


「やあ元気?こっちは元気だよ(絵文字)→これ私の表情ね
今年もよろしくね(絵文字)(絵文字)(絵文字)→新年をイメージしています」


という具合にすれば、ほぼ間違いなくダイレクトに伝わるはずである。私は意気揚々とメールを送信した。


数日後、送信相手に面と向かって。


「でさ、どうしてこの矢印『うざい』って気付かないわけ?これ明らか余計でしょ?」

と怒鳴られた。


「すみません。一瞬でもイケると思ってしまった自分が憎いです…」


新年早々、蛇足だった。
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伝わらないし伝わりすぎるし

 ちょっとひねった事を考えて、それを文章に起こしてみる。さて、反応が返って来ると全く違った形で受け取られていた。でも会話は成立していたとしたら、当事者はその事に気づかないかも知れない。伝わってるのか伝わってないのか、発信した側からしてみれば不安一杯である。

「お父さん、おひとり?」
「あんな親父が何人も居てたまるかよ。」
「一人なのね・・・。」

 藤波龍之介とペットショップの女将の会話である。

Re: 伝わらないし伝わりすぎるし

こんにちは。

考える時間があればあるほどひねったり余分なものを加えたりしがちですね。でも解説するとみじめさがこの上ないので伝わったか伝わらないかは別にして会話を「表面上」成り立たせるようなやり過ごし方を学ぶと大抵は、

「まあ、そんな感じですね」

という投げやりな感じが出てきます。


まあ、そんな感じですね。
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