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もしもし亀さん

ノートにメモしていた地図を頼りに地面を掘った。そこには何も無かった。
私はノートの持ち主である浦島君を問い詰めた。

「誰も埋めたって言ってないよ」

私は一応納得した。

「ちなみに、何が埋まっていると思ったの?」

浦島君は好奇の眼差しを私に向けている。

「た…ま…」

「ん?なんだい、やっぱり僕が浦島だからって」

私は力を振り絞って答えた。

「た…ま…ご…ざけ」

浦島君は一瞬何を言われたか分からないと言った表情をした後、憤慨し始めた。

「嘘こけ!常識的に考えて土の中に玉子酒埋める奴なんかいるわけないでしょ?ほらほら正直に言いなよ、玉手箱だと思ったんだろ?」

ここで引いたら負けだなと直感的に悟った私は、頭を高速回転させ始めた。

「いや、玉子酒は土に埋めて熟成させるんだよ。知らないの?」

「んなわけあるか!!苦しいにも程があるだろ。よしそっちがその気なら…」

と言って、浦島君はバッグの中からいかにもそれっぽい箱を取り出した。

「言っとくけど、それレプリカだから。からかわれた時用に、いつも持ち歩いているんだ。どうだい?悲しいことだけど、僕が言うと本物っぽく見えるだろ?5人に1人は本物かも知れないと思って開けられないんだぞ。君がもし玉子酒だと言い切るなら、これもきっと本物じゃないって思えるだろう?開けてごらんよ」

私は、ポーカーフェイスを装っておもむろに開けた。

白い煙が舞い上がった。すぐそれがドライアイスだという事に気付いたが、多少肝を冷やした。

「…浦島君」

私は浦島君を血走った眼で見つめて言った。

「君がこんなになるまで苦しめたのは私達が悪いんだよね。それは代表して謝るよ。でもね信じて欲しい。決してそういう人間ばかりじゃないって事を」

「君ってやつは…」

「ところでさ」

「うん、何?」

「亀に乗るのってどんな気分?」

私達に芽生えかけた友情に亀裂が走った瞬間だった。
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私さんに座布団三枚

 勿論、浦島君とくれば玉手箱ですよね。うん、玉手箱です。玉手箱以外ありませんな。玉手箱です。
 そして、浦島君とくれば亀ですよね。うん、亀です。亀以外有り得ませんな。亀です。
で、竜宮城って本当はどんなところ?やっぱり【自主規制】?

Re: 私さんに座布団三枚

こんにちは。

竜宮城については、詳しく知り過ぎると裏社会でこっそり消されてしまうかも知れないので…


「浦島」くんというだけでこれだけ鉄板ネタがあるのもある意味羨ましいですね。
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Author:なんとかさん
ナンセンスな物語を書くつもりです。リンクフリーです。

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