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すりこみのーと

その日は寒波が訪れていた。


陽子は丸く収まりそうな気がする痴話喧嘩を遠目に見つめながら、血色の悪い唇にリップクリームを塗った。そうして若干不慣れな手つきでビラを配る。ビラには「ゲーム半額」の文字が大きく印刷されていた。ゲームというものをあまりやらない陽子にとってゲームというものは暇潰し以上の何ものでもなかった。


テレビの影響から軽い気持ちでフルマラソンに挑戦するつもりだったが、練習初日に挫折した太郎には肉体的なというよりも精神的な限界があった。だが人一倍気持ちの切り替えが得意な太郎は次の日には早速繁華街に出掛けて何か面白そうな事を探すのであった。


太郎はふと、寒空の下ビラ配りをやっている女性に目が留まり、何のひねりもなく「寒そうだな」と思った。その女性に何かを感じたというわけではなく、ちょっとした気紛れで配り終われば温かい場所に帰れるんだろうなと想像した彼は、紙切れに興味は無かったがわざとそちらに向かって歩き出した。


「今日、ゲーム半額でーす!!はい、どうぞ」


太郎はゲームが人並みに好きである。手渡された紙に書いてある「半額」という字に惹きつけられ、彼は近くのショップに入店した。早々に斬新だなと思った。


「まさかゲームをいつもの半額で買い取るっていう意味だとは思わないよな」


陽子はノルマを終え、何事もなく帰宅した。
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非公開コメント

これは違反広告である。公取に抗議してやる!!

 広告を見て自分に都合よく受け取るのは止めた方が良い。どんなにお得に感じても、相手はこちらをカモる気満々なのだ。
 結論、洋子さんが正しい。 

Re: これは違反広告である。公取に抗議してやる!!

こんにちは。

二人の視点から物語を動かそうと思ったわりには何事もなく終わってしまったかのような作品になってしまいましたが、結構酷いオチですね。


洋子さんが正しいです。
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Author:なんとかさん
ナンセンスな物語を書くつもりです。リンクフリーです。

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